「遠雷」 Andrew Wyeth
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遂に見つけました・・・・・・先回紹介した「遠雷」 Andrew Wyeth。



ワイエスの紹介をしたところで、どうしても皆さんに紹介したかった一枚があったので、ネットで古書を検索。12年前から何度かお世話になっている群馬の「art-blue」さんで1973年「みずゑ」を遂に見つけました。
http://www.art-blue.jp

art-blue さんは、未だネットが普及していなかった12年以上前、どうしても欲しかった名著「美術手帖1987年10月号江戸ラビリンス」を始めてネットで古書を見つけて購入した書店。

よくもまーマイナーな美術手帖の古書を蔵書して、難しい古本屋さんを、それもネットで運営するとは・・・・と、当時感じたが、ようやく時代が古書のネット運営に追いつき始めたと喜んでいます。ありがたい時代になりました。この厳しい10年をよく乗り越えて下さったと感慨無量です。僕のことも覚えていてくれました♪



犬も女性も優しい日射しを受けながら草の上でまどろんでいる。。不意を突くように・・・・・未だ雷は、ずっと遠くで轟いている。


こんなシチュエーションを絵にしてみたいと思ったワイエスの感性は素晴らしいの一言です。

『クリスティーナの世界』  A ndrew Wyeth
 
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『クリスティーナの世界』で描かれている女性は、ワイエスの近所に住む小児麻痺というハンディーをもちながら逞しく生きているクリスティーナです。「薄氷」に潜む美しさを拾い上げるワイエスですから、”生きる”という厳粛な事実のなかに見える、総ての存在が等価にもつ美しさを見逃しません。ギリシャ彫刻のように、最も美しくバランスのとれた人体比率をもたないハンディのある女性でも、生きるということに真摯に向き合うその姿勢が人の心を打ちます。

絵って凄いな~と改めて思いました。



ところでチンパンジーが、絵を描くことが大好きなことをご存じですか。



先週の、「チンパンジーが教えてくれた-希望こそ人間の証」は、久々のヒットでした。ゲストは:松沢哲郎氏(京都大学霊長類研究所教授)

松沢哲郎(まつざわ てつろう)

(京都大学霊長類研究所思考言語分野教授)1950年愛媛県生まれ。
74年京都大学文学部哲学科卒業。76年京都大学大学院文学研究科
博士課程中退、同年より同大学霊長類研究所心理研究部門助手。
93年同研究所教授。2006年から12年同研究所所長。理学博士。
著書に『想像するちから―チンパンジーが教えてくれた人間の心』
『人間とは何か―チンパンジー研究から見えてきたこと』など。

チンパンジー・アイの絵   「チンパンジー・アイとそのなかまたち」より
チンパンジー・アイのことはご存じでしょうか。彼女は優秀なチンパンジーなのでご存じの方も多いと思います。松沢氏は、アイちゃんと出会うことで多くの重要な発見をしました。一部紹介されていますので「チンパンジー・アイとそのなかまたち」をご覧になってみて下さい。



人間の出来ることをある程度学習できる・・・のではなく、明らかに人間より遙かに優れている能力があるという事実が驚きです。



ここでちょっとブレイク、って勝手です;;;

昨晩、就寝前に youtubu をつい見てしまい、朝4時頃になって慌てて寝ました。

昨晩は、常滑のハカセこと晴鳶堂殿の紹介で初めて知った、吉本興業のキュートンから始まって古~いタモリに行って、クレイジーキャッツ、清水ミチコ→矢野顕子繋がりで忌野清志郎、そして最後に九重佑三子(僕ファンでした♪)のコメットさんで慌てて寝ました;;

youtubu は危険です。スポッと当時にタイムスリップし、そこから抜けられません。それにしても九重佑三子の「ウェディングドレス」は名曲でした。それもそのはず永六輔と中村八大の「六八コンビ」の作詞作曲。以下 ↓ よかったらどうぞ。ファンでない方はスルーして下さい(PCのスピーカーボリュームは低めにセット)。
 
 
告白しますが・・・・僕 南沙織のファンクラブ会員番号7503番でした;;

十代後半の頃は、アイドル?アホか、と洋楽や Jazz に傾倒していました・・・・がその煽りが二十代前半にやって来て10年遅れで加山雄三の曲にはまったりしていました。その意味で今の若者が AKB48 にはまったりすることは、通過儀礼としてそれなりに大切なことかも知れません(僕はもっと歌もダンスも上手く魅力的な娘は、他に沢山いると思いますが)。
 
 
youtubu は、リラックス効果抜群です。僕はバラードが好きなので「何か疲れたなぁ。。」と感じたときは以下 ↓ 「Days of Wine and Roses (酒とバラの日々)」を延々と聴き続けます。   
先ずはオリジナルで



















こんな洒落たスタイルもあります








Toots Thielemans  たかがハーモニカですが、とてもいかしてます

スタンダードは、長い時間に耐えて残ったものですから、いつ聴いてもハズレはありません。身も心も疲れたときには、スタミナドリンクよりも効きます。お試しあれ。




考えてみたら、ワイエスといい Jazz 「Days of Wine and Roses (酒とバラの日々)」といい、総てアメリカ文化です。
9.11以降、アメリカには生理的に拒絶反応がありましたが、どうして捨てたもんじゃないどころか、凄いです。たぶん、嘗てのような輝きはもちろんありませんが、舐めちゃいけませんね。。
 

チンパンジー・アイの絵   「チンパンジー・アイとそのなかまたち」より
さて、チンパンジーの話に戻ります。



ここ最近の DNA の解析は目覚ましいものがあります。今まで専門家でも、チンパンジーとゴリラは近い霊長類とされてきたものが、実は、チンパンジーが最も近い霊長類は人間であることが解ったといいます。DNA でいうと1. 数%しか違いがないというから驚きです。



チンパンジーを知ることが、より人間を知ることに繋がる・・・・とは松沢哲郎教授の言葉です。三万年前まで、人類は今の現生人類とネアンデルタール人を始めとする旧人類とこの地球上で同居して生活していたといいます。今のように一種の人類だけが地球上で生活している方が希といいますから意外です。

なでしこ japan もそうですが、何も身体がでかくフィジカルが強いばかりが強いチームということにならないのと同じように、現生人類より脳みその容量が多かった上に、身体も逞しかったネアンデルタール人が先に亡びてしまった訳に、現生人類の方が華奢だったことで、より頭を使わざるを得なかったことが考えられます。でも、この先今の現生人類に何が待っているか知れません。それは、われわれが、ずっと永遠に生存し続けるとは限らないからです。

現生人類(左)とネアンデルタール人(右)の頭蓋骨の比較写真...........Wikipedia より
 
どうですか、ネアンデルタール人の骨格がしっかりしていて、尚かつ脳も大きいのが分ります。でも、滅んじゃいました。

まあ、現生人類がいつまで存続するのか・・・・ゴキブリほど生命力があるとは思えないので、それ程長く地球上に生存し続けるとは思えませんし、1億5000万年も生存し続けた恐竜に並ぶという保障もありません。

ネアンデルタール人の頭骨
チンパンジーの話に戻します。

松沢哲郎教授によると、チンパンジーと人間との決定的な違いは、「想像力/創造力」だということ。つまり、人間は過去と現在から未来を演繹したり、帰納したりするすることで現在を乗り越える存在ともいえます。チンパンジーは、まず過去を思い悩んだり、未来を想起したりすることはなく、「いまここ」に全身全霊を注ぐことで生きることを充足させているということ。つまりチンパンジーにとって目の前の現実が総てで、その前(過去)や、その後(未来)は、身に迫った問題とはならないということのようです。このことが、0.2秒足らずで目の前のモニターに映る数字を9個も瞬時に記憶できることの意味です。

これは、人間とチンパンジーの、どちらがどれだけ優れていると言うことではなく、生きることの姿勢が違うと言うだけです。そして、僕ら人間は、この時間意識の所有から、過去の記憶を何度も繰り返し呼び起こしたり、見たこともない未来を想像(創造)想起するわけです。アートは、この辺の精神領域に関わっているに違いありません。



さすれば、チンパンジーの絵は「いまここ」を充足させるのみの行為ということになるだろうか。。そこには時間の観念はないのだろうか。。確かに、チンパンジーが「侘び寂」を感じているようには見えない。赤青黄の色そのもの美しさを追い求めているとしたら、正しくミニマルアートになるわけだが・・・・・・。


むかしBゼミスクールの創設者小林先生が「下手な絵を見るより、チューブから出る絵の具を見ていた方が余程美しいと感じる」と言ったことを思い出す。それは下手なピアノ演奏を聴くより、ピアノの鍵盤を叩いたときに出る音そのものが耳に心地好い場合があるのと同じだ。

チンパンジー・アイの絵   「チンパンジー・アイとそのなかまたち」より
人間とチンパンジーの決定的な違いについて触れようと思ったところで、このページがだらだら長くなってきて見づらいので一旦幕を引きます。
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