クリオって知ってますか?  3月25日

 クリオ・・・・・・今春発売される新車?ではありません。この聞き慣れない名は、北海道栗山町が発行している真の意味での地域振興券のことです。住人の1/4が老人のこの町では、経済的負担を軽減する意味と、事務的になりがちな老人への介護の中身を血の通ったものにするため、ボランティアを受けたご老人から介護を施したボランティアの方に感謝を込めて手渡されるポイントが印刷されたクリオと呼ばれる地域親幸?券を発行している。このクリオを手渡されたボランティアの方は、自分の希望する町の人材バンクに登録された知恵人のところに出掛け、いろいろな「知恵」を受けられるシステムになっている。具体的には、野鳥に詳しい方のお話が聞けたり、料理の得意な方に調理のてほどきを受けられると言った具合だ。住人の素性が知れている地方だから出来ること、と言ってしまえばそれまでだが、素晴らしく頭のいいシステムに感服した。僕も自分の住む町(逗子市)の人材バンクに登録しており、地元の小・中学校に漆の話は勿論のこと、美術一般の話をした経験があるが、栗山町のクリオの方が数段人の心に深く滲み入り、生な息づかいが伝わるような気がする。僕にとって「老い」は今年も中心的テーマだが、クリオの話は、この四月から施行される新介護保険制度を補う知恵として、皆それぞれの立場でそれぞれに工夫していけたらと望むものです。

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